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令和6年度入学式 学長式辞

式辞に先立ち、このたび能登半島地震に被災された本学学生を含む多数の皆様に心よりお見舞い申し上げ、一日も早いご復興を心より祈念申し上げます。また、世界各地で頻発している武力による解決を目指す多くの戦乱につき、一日も早い武力以外による解決を祈念致します。

この度、福井大学の学部並びに大学院等に入学された皆さん、誠におめでとうございます。ご入学を心より歓迎致します。あわせて、これまで皆さんを支えてこられたご家族の方々等にもお慶び申し上げます。
さて、本学入学式は4年連続して、コロナ禍により、規模を縮小するなど変則的に行ってきましたが、今年ようやくほぼ正常化する形で執り行うこととなり、まだまだ完全に安心はできませんが喜んでいます。

さて、これから皆さんが学生生活を過ごす福井大学について少しご紹介します。皆さん、大学正門横にある大きな看板をご覧になったかと思います。本学の理念「格致によりて、人と社会の未来を拓く」を掲げています。この語は近代福井の礎を築いた福井藩主松平春嶽公揮毫の額面がもとになっており、「格致」とは、「物質の道理や本質を深く追求し、理解して知識や学問を深め得る」と言う意味です。
この理念の下、教育面の最も重要な目標として、本学が目指しているのは、「卓越高度専門職業人の育成」です。今の社会はSociety5.0社会と言われますが、それはフィジカルとサイバーの融合により形づくられた理想的な社会とされています。反面、現在、実在する多くの職業が姿形を変えることとなり、しかも場合によっては消滅すると言われます。そのような中、我々の言う卓越高度専門職業人とは、専門職業人の持つ一芸に秀でたイメージに加え、その関連分野をも包含する適応能力を併せ持ち、Society5.0時代においても、しなやかに自己実現を可能とする人材を想定しています。また、このような人材には、一芸に秀でる以上の広い分野での適応能力が要求されることより、部活、バイトも含む自らの体験可能な実体験を積む必要があります。勿論、いきなり決心して明日からなれるものでもありません。皆さんも本学在学中にその卓越高度専門職業人のイメージをしっかり掴み、しなやかに生き抜く能力、資質などの習得に努めてください。
そのために、各学部?研究科では、必要な教育プログラムを用意しています。このプログラムの成果は、皆さんもご存じのとおり、毎年の全国実就職率ランキングにおいて、本学は卒業者1,000人以上の複数学部を有する大学で、16年連続1位の達成として現れています。また、皆さんの先輩の卒業生、修了生は、就職先の方から、他の大学に比べ、高い能力、資質を持っていると評価されています。どうか安心して、それぞれの教育プログラムを学んでください。

さて、大学での学びとは何かについて考えてみましょう。高校までの学びは、主に最終的には明瞭な正解のある設問があり、自分の既知の知識を駆使して正解にたどり着く作業だったと思います。しかし大学での学びとは、或いはその醍醐味とは、正解があるかないかも定かでない命題が与えられ、それに対し、正解にたどり着こうと解き方探しに奮闘するというイメージです。極端にいえば、「正解はない」、或いは、「正解はあるが今の学問のレベルではたどり着けない」という答案が正解のことも、稀ならず経験されます。困難に満ちた道を、苦労を重ねつつ探索しながら進んでゆくのが学びの道だと言えるでしょう。この時、学びのよすがとなるのが、ノーベル賞受賞者からもよく強調される知的好奇心です。世の中の事柄に好奇心を抱き、専門的な知識を積み重ね、そこから新しい知見を生み出すことのできる人になりましょう。知的好奇心は、きっと皆さんの人生を豊かなものにしてくれます。

本学で今力を入れているのは、全国的にも注目されているデータサイエンスです。4学部が、独自性を担保しつつ、協力し合い推進します。また、北陸新幹線の延伸と軌を一にして、嶺南における市町との協働による産業の活性化、教育?研究の活性化を図る嶺南プロジェクトも、順調に進んでいます。

さて留学生の皆さん、長いコロナの時期を乗り越え、ようやく日本へ、福井へお越し頂き心から歓迎します。本学では、まず二つのことを学んでほしいと思います。ひとつは、多くの国からの異なる人種や民族の人達と会い、人とはこのように異なるものかということを実感していただくことです。もうひとつはこのように多くの異なる点がありながら、人としてひとつの共感性で結ばれているということもぜひ自覚してください。これから諸外国の人と交わり、将来、自国の指導者となり得る留学生、日本人学生の皆さんにとってこのことはとても重要なことだと思われ、期待しています。

さて、皆さんに直接関連するする福井大学の近況をお伝えします。本学では、一貫して学生のキャンパスライフの向上に取り組んでいます。大学のキャンパスは、学生が学び、交流し、人間として成長していくのに重要な場であり、人材育成の基盤となるものです。このため、例えば文京キャンパスでは、学生提案のデザインをもとに、学生交流スペースの整備を進め、今年秋頃には竣工予定です。
加えて、今年3月に、卒業生同士、あるいは卒業生と在学生をSNSで繋ぐ福大プラットフォームを立ち上げました。これにより、皆さんは、卒業生から様々な支援を得ることが出来るので、是非、活用いただきたいと思います。
 
結びです。本学は、多様なステークホルダーが、多様な目的のため?多様な方法で互いにアクセスしつつ、学び合い、実践し合うキャンパスを作りたいと思っています。学生諸君も共に実践することを呼びかけ、私からの式辞と致します。

令和6年4月6日
福井大学長  上田孝典 

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